不器用な君と不機嫌な私


「学級委員ー!

黒いガムテープと模造紙とってきてくんねー!?」


文化祭があと少しで始まるというのに、柳瀬はそんなことを言った。


「自分で行け、アホ」



「お前なあ…!

気ぃ使ってやってんだよこっちは!
ほれ、行った行った」


「はあ?」


「いいから、多分誰もいないって!

俺らのクラス専用の用具室が用意されてんだろ、あそこ行けばある」


「…めんど…」


「京介、おれらの親切無駄にすんじゃねーぞー?」


俺らというから、柳瀬の近くを見ると高橋たちが笑っていた。


ほんと、うざいけど


でも、嫌いじゃないよ。


「わかったよ、いってくる」


そう言って、藤原さんを呼びに行く。



かといって、2人で用具室に行ったからといって


なにかするわけでもないんだけど。

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