不器用な君と不機嫌な私
「そうだ、京介、藤原。
酒井先生が呼んでたぞ」
帰りのホームルームのときに
先生が2人ともの顔を見ずにそう言った。
あれ以来私は先生とも仲本とも話していない。
「酒井?日本史の教師だっけ」
仲本は平然とした顔で
先生を見て言う。
「おう。なんかプリントが
どうとか言ってたんだよ。
じゃ、今日は以上。
日直号令頼むわー」
先生もどこか、私と同じで
元気がなかった。
って、当たり前かな。