不器用な君と不機嫌な私
仲本が職員室から出てくるのを待っていると、
大量のプリントを胸に抱えて仲本が出てきた。
なんだか、そんな姿を見るのは初めてで
失礼だけど、少しわらってしまった。
「え、なにしてんの。
っていうかなに笑ってんの?」
「ううん、重そうだね」
「別に、全然」
「手伝ってあげよっか」
「いいよ、藤原さんが持ったら腕折れるんじゃない」
「なめんな、バカ。
そんな弱くないから」
そう言って、私はプリントを半分手に持った。
すると、仲本は目を丸くして私を見たあと
仕方なさそうに笑った。
「折れても知らないからね」