不器用な君と不機嫌な私
そう言うと、私の鞄を持ったまま
そいつは私に見向きもしないで教室から出て行ったのだ。
「ちょっと、ねえ」
「そんな…ひどい…」
追いかけようとすると、たか子の友達らしき子は泣き出した。
「最低」
誰が言ったのか、
ぼそりとそう聞こえてくる
ダメだ、ここにいたって
どうしようもない。
私はできるだけその子たちを見ないようにして、教室から出ていった。
私の鞄を奪った、
キョンと呼ばれる男子を追って。