不器用な君と不機嫌な私
「ねえ、なんのつもり?」
靴箱の前でキョンという男子は
遅い、というような顔をして
腕を組んで立っていた。
「なんのつもりって、俺が行かなかったら
あんたもっと悲惨な状況だったんじゃないの」
「それは…
でもあそこまで言うこと」
するとキョンという男子は
私を話がまだ途中なのに、鼻で笑ったのだ。
「あそこまで言うことなかった?
笑わせんなよ、あんたも相当キツイこと言ってただろ。
それに、あの状況であんたが教室から出てこれたのも俺の
おかげだろ
感謝してほしいくらいだね」