不器用な君と不機嫌な私




先生のいなくなったあとの予備室のなかで


私はひとりで声をあげて泣いた



あの言葉は嘘じゃない



本当に、幸せになってほしかった


でも、ひとつ嘘をついたのかな


---好きだったんだ



そんなの、嘘だね



こんなに辛いのはきっと



いまも好きだから?


先生に恋をした、それは


事実で


叶わない恋だったことも


紛れもない事実なんだ


でも、もう終わったんだよね



返事が欲しかったわけじゃなかったんだ


ただ、わたしのこと気持ちをわかってほしかっただけだった



郁のことしか考えてない、先生の頭の片隅に


藤原香織っていうひとりの女の子として残しておきたかった


そんな私の可哀想なちっぽけな
足掻き。



さよなら、私の小さな恋。


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