不器用な君と不機嫌な私
そう言ってそっと郁の頭を撫でる
「かおりん…っ」
「私、郁とは
今までみたいな友達ごっこはしたくないって思うんだよ
理由なんかどうでもよくて、
ただ、郁とわかりあえたらって思う
でもそれってすごい難しくて、郁のこと全部知ることなんて
まだまだ私にはできなくて
でもそれでもいいから、私はもっと郁のことを知りたいよ
私はもう、先生にちゃんと気持ちは伝えて
もう、終わったから。
だから心から先生に幸せになってほしいって思えるよ。
完全にふっきれたとはいえないけど、でもそれは本当のことだから。
それとおなじくらい、郁にも幸せになってほしいって思ってる
だからそうやって一人で抱え込まないでよ
辛いなら辛いって言って?
私は辛かったよ、
先生の大切なひとが郁だって聞いて悲しかった
やきもちなんか比じゃないくらい、郁がうらやましかった
ねぇ、でも、郁
誰も悪くなんかないよ
郁がそんなふうに自分のこと責める必要なんかない
だからさ、
郁の気持ちとかそういうの全部、私にぶつけて欲しいって思う
私、絶対郁とわかりあえるって信じてるよ」