不器用な君と不機嫌な私
すると突然、手に持っていた携帯のバイブが鳴った。
ディスプレイには知らない番号が光っている。
仲本
と出るのを少しでも期待した自分が恥ずかしい。
「…はい、もしもし」
『あ、もしもし!?藤原さん!?』
「えっと、はい」
『あ、俺!柳瀬だけど!』
「柳瀬くん?どうしたの?」
『ねえ今どこにいんの!?』
「どこって、その、夏祭りに…」
『なあ!夏祭り来てるってよ!!』
「はい?」
『あ、ごめんなんでもない!サンキュ!』
「え、ちょっとまってそこにもしかして」
仲本いるの?
そう聞こうとしたら、ぶちりと電話は来れてしまった。
にしてもなんであんなに声大きくする必要があるんだろ
聞こえてるっつの。
そう思って携帯を仕舞おうとしたときだった
また携帯のバイブが鳴った。
「はいもしもしなんですか!!」