不器用な君と不機嫌な私


そんな声がすぐ後ろで聞こえて



振り返るとそこには、


息を切らした仲本がいた。



「うそでしょ…?」



「あー、もう


やっと見つけた。


俺さ、一昨年の
夏祭りに藤原さんを見て

それから忘れられなくて


去年の夏祭りにまた藤原さんを見つけて


好きだって気づいて


やっぱり今年も、好きなままだ」


「………」


「ごめん、やっぱ

諦めらんない」


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