不器用な君と不機嫌な私
「ううんっ!!全っ然そんなことないよ!
郁ちょー嬉しいっ!」


そして突然手をとられて仲本のところまで連れていかれる。


急なことで驚いたけど、やっぱりこの姿をみられるのは少し恥ずかしい。


「へえ、案外素直なんだ」


「どういう意味よ」


「いや別に?」


「なになにー?もう二人仲良しなのーっ!?」


「「それはない。」」


仲本と声が被ると、郁は
さらに嬉しそうにわらった。


そしてゴホンとわざとらしく咳払いをして
真剣そうな顔になる。


「実は、郁。昨日キョンからかおりんの武勇伝を聞いたのです。
それでそれで、郁はもう感動してしまい、泣いちゃったのです。

というわけなので、
かおりんありがとーっ!!」



そう言うと抱きついてきた。
その時にふわりと甘い香りがして、さすがだなと思った。 



「ちょっ、なに、武勇伝って…

それに泣いたとかうそでしょ?」

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