不器用な君と不機嫌な私

「いけなかった？」


「いやいいよ、わかった、任せる」


困ったように広瀬はため息をついているけど、目が笑っているから
別にいい。


「で、なに？」


「なに？じゃなくて、こんなのありなの？」


「別にいいんじゃない。
みんなちゃんとやってるし、広瀬もいいっていってんじゃん」


「なんか…尊敬…」


「そりゃどうも」


「……ってそうだ。

そんなに私に嫌がらせしたいなら」

「嫌がらせ？藤原さんに？」


「だったらなんで学級委員になって」


「あ、勘違いしないでほしいんだけど
別に俺、あんたと学級委員がしたかったわけじゃないからね」


「…んなことわかってるから！
あーもうなんかわけわかんないし、

それに少しは人の話聞こうとか思わないかなあ？

この前から思ってたけど！」


「聞いてるよ、ちゃんと。」

そう言ったあと、この前のようににこやかに笑ってみせた。

すると藤原さんは眉間にしわを寄せながら

「嘘くさ」

と小さく言った。


「あ、ばれた？
まーいいじゃん。会話できてるし」



「…はいそうですね。
勝手にすれば」