不器用な君と不機嫌な私
火照りと優しさ
帰りたい
帰ってしまいたい
つくづく自分の運の悪さに飽きれてしまう。
「女子ー、種目決まった?」
体育委員がそう言っているけれど
もちろん決まったのだ。
でも、最悪。
全てのじゃんけんで
こうも負けてしまうと凹むでしょ。
「あー…かおりんなんだっけ…?」
「…徒競走と、ブロック対抗と、……騎馬戦。」
もちろん推薦があったわけではないし、
さらに騎馬戦じゃ上に乗ることになった。
じゃんけんで。
しかも騎馬は
私以外全員この前トラブルを起こしたメンバーだった。
「騎馬戦…きついよねえ…」
「まあ、たったの10分くらい?我慢すればいいんだろうけどね?
あーもう、なんでこんなにじゃんけん弱いのー!?」
「それは郁もちょっとびっくりしたかも。
だってかおりん全部負けちゃうんだもん!」
「それ以上言わないで…!」