不器用な君と不機嫌な私
その日の放課後、広瀬先生に呼び止められた。
そして物凄く申し訳なさそうな顔で
「頼みたいことあんだけど…」
と言うものだから
聞かないわけにもいかなくて。
「なんですか?」
「さっきの体育祭の種目、実はあれ女子と男子で整理して
提出しなきゃなんねえらしくてさ。
体育委員は帰っちまうし
俺も今から職員会議なんだよ
だからそれ、藤原に頼めねえかなって…」
「あ、いいですよ?」
「え、まじ!?」
「だって、提出しなきゃいけないんですよね?」
「いやそうなんだけどさ、ほんっとにありがとな」
即答してしまった自分にも
驚いたけれど
落ち着いた声で、ありがとなんて言われるとは思ってみなかった
「いえ…あのじゃあ、どうすればいいですか?」