不器用な君と不機嫌な私

そう言われて、はっとした。


そういえば私、先輩のこと


なにも知らないのに付き合ったんだよね。


「それは…」


「へえ？

藤原さんは付き合えるんだ。

尊敬するよ」


嫌味ったらしく
そう言う仲本を思わず睨んだ。


私がいい失敗例ですけど、なにか。


「別に、そういう恋愛もありだと思うってだけ」



「すごいすごい、模範解答よくできました


はい、終わったよ」


そう言って淡々とシャーペンを片付けはじめた。


どうしてこの人は


いやなことしか言えないんだろう


模範解答とか、

そんなんじゃないのに



「付き合えばよかったんじゃない？」