不器用な君と不機嫌な私



「…仲本っ!」

昼休み、売店から帰るところで
藤原さんに呼び止められた。

まただ、なんなんだよ

このわけのわからない感情。

「なに」


「………ん!」


そう言って押し付けてきたのは
ミルクティーのペットボトル。


「え、なに」


「なんか、広瀬先生がこの前のお礼にって。」


「別に、俺はなにも」


「うそ、仲本ほとんどやってくれてたじゃん」



というよりも、なんでこの人はこんなに嘘をつくのが下手なんだ。


言っておくけど、俺と広瀬の付き合いは14年間もあるんだから

お礼なら直接俺に言ってくるはずで

広瀬はそういうところはちゃんとしてるから。


「へえ?

広瀬にいったんだ?
俺が手伝ってくれたって」


「え?あー、うん、そんなような気も…」

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