不器用な君と不機嫌な私
職員室から出て、ようやく気づいたけれど
もう校内に残っている生徒は
ほとんどいないようだった。
そんなに長い時間経ったなんて知らなかった
するとそばにある自動販売機で
先生はなにかを買っていて
沈黙が続く。
なんか、気まずいし
なんでこんなに緊張するんだろう
「藤原」
「え?ってわっ」
「おつかれ」
私の名前を呼ぶと同時に、
先生は自動販売機で買ったばかりの冷えたペットボトルを軽く投げた。
「あ、あの…」
「コーヒー牛乳、飲めるか?」
「…はいっ…
でも、いいんですか?」
「いいよいいよ、
しょぼいお礼でごめんな」
「そんなことないです!
あの、ありがとうございますっ」
「ははっ
藤原ってなんか、俺に気ぃつかってる?」
「気をつかうもなにも、
先生じゃないですか」