不器用な君と不機嫌な私
学校から駅までの道のりが
あっというまで
改札口を通りたくないと
初めて思った。
「じゃあ俺、方面あっちだから
じゃあな!」
そう言って片手をあげる先生に
なにかいいたくて
「えっと、…うん」
それなのに、情けない声しか
出すことができなくて
「ははっ、別に無理する必要ねえよ!
ただ、兄ちゃんみたいに頼ってほしいっつーこと!」
それなのに先生は笑ってくれる
だから、頑張らなくちゃ
少しでも、先生の笑顔が見たいんだ
「無理じゃない、よ。私。
先生、またね」
「ははっ おう!
またな!」