不器用な君と不機嫌な私
「朝から大変そうだな」
郁がいなくなると、
一瞬だけ 沈黙が流れるけど
すぐに先生がなにか話してくれる。
この前みたいな気まずさみたいなものは
今はなかった。
「んー、でももう慣れちゃった。
郁が静かだと、それはそれで調子狂うかも」
「ははっ たしかにな
なんかお前らってバランス取れてるよなー
藤原がお姉さんって感じか」
「お姉さんもなにも、私弟いるよ?」
「え、まじ!?
どうりでなんか落ち着いてると思ったわ」
「そうかな?
っていうか、
そろそろ先生 開会式の準備した方がいいんじゃない?
先生たち集まってるし」
「あ、やべ
なんだよーこれじゃ俺も藤原の弟みてえじゃんかー!
ま、サンキュな!」
そう言って笑う先生。
「先生」
こうやって呼ぶと先生はよろこぶから。
「ん?」
「ううん、呼んでみただけ。」