小さな短い恋物語
「誰宛だ?
また土方さんか?」
「そうだよ~
本当にあの人よくもらうよね~
俺にも分けてほしいくらいだよ」
そう、手紙の宛名はほとんど全てが土方になっていた。
土方は、怒鳴ってばかりだが、
整った顔立ちをしており、言い寄る女が後を経たないのだ。
「まぁ、皆懲りずによくやるよね。」
「………
少しの可能性でも信じたいから
手紙を書くのではないのか?
少しでも、自分の思いが伝わるように、と。」
と言った翔花の顔は少し悲しそうだった。