小さな短い恋物語


side 土方―

「土方さん、翔花です。
入ってもよろしいでしょうか。」
と静かな声が聞こえた。

「あぁ。」

と短く返事をすると
スッと無駄の無い動作で翔花が部屋に入って来る。

「何のようだ?
お前がここに来るのは最近あまり無かったじゃねぇか。」

「はい、恋文の事なんですが…」

「?
恋文は適当に捨てとけ、と言ってあるはずだが…」

俺は、あまりの量の多さに翔花に全て捨てておけ、と指示してある。
こいつは、あまり指示に従わないことがないのだか…

「はい、そうなんですが…

少し、女性の方が可哀想になりまして。」

「可哀想…?
どういうことだ?」
< 13 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop