小さな短い恋物語
side 土方―
「土方さん、翔花です。
入ってもよろしいでしょうか。」
と静かな声が聞こえた。
「あぁ。」
と短く返事をすると
スッと無駄の無い動作で翔花が部屋に入って来る。
「何のようだ?
お前がここに来るのは最近あまり無かったじゃねぇか。」
「はい、恋文の事なんですが…」
「?
恋文は適当に捨てとけ、と言ってあるはずだが…」
俺は、あまりの量の多さに翔花に全て捨てておけ、と指示してある。
こいつは、あまり指示に従わないことがないのだか…
「はい、そうなんですが…
少し、女性の方が可哀想になりまして。」
「可哀想…?
どういうことだ?」