小さな短い恋物語


side 沖田―

稽古を終えて、土方さんのところに行こうと思ったら、翔花さんの声が聞こえてびっくりした。

いつもは、
起こっても声を荒らげる事なんかしないのに。

何かと思って近づいたら、
土方さん宛ての恋文の話だった。

《……
その文を書いている女性たちは!!
少しの小さな小さな可能性を信じて、毎回、文を書いているんです!!
それを、そんな風に…!!

今までは、土方さんの言うとうりに全て捨ててきました。
けれど、それってあんまりじゃないですか!!》


翔花さんが怒鳴っていることに驚いていたが、内容にも驚いた。

まさか、翔花さんが
人の恋についてしゃべるなんて。
いつもは必要以上に人に干渉することなんかないのに。

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