broken、robot。
『沙恵?』

「あっ、何?」

留亜の声で我にかえった

『佑夜くん、ってさ~

そんなに俺そっくりなの?』

「!?
何いきなり。
留亜から佑夜の名前が
出てくるなんて思っても
みなかった。」

『あ、いや~、どんくらい似てんのかなって。急に気になった。』

そう言ってけたけたと笑う。

「ふーん…
まー、似てるってゆーか。

正直、本人そのもの!
って感じかな。
声も佑夜だし…

会った時びっくりしたもん。

でも、今なら全然見分けつくよ。
バッと2人同時に前に現れても。」

『へーえ…じゃあさ、似てない部分とかないわけだ?』

「あるある。
性格がぜんっぜん違う。

佑夜は大人っぽくて、頼りがいがある。
それにしつこくないし、カップ割ったりしないくらい落ち着いてるし。」

『さ、沙恵、あれは本当ごめんって!
悪気があったわけじゃなくて…
その…
ギュッてやったら自然と…
パリンって…割れちゃったの!』


「コップをギュッてする必要ないでしょ!?」

『え、えーと、なんかしちゃったんだよねー。』

「はあ…。」

『沙恵、根に持ちすぎでしょ!』

「反省してないんだ?」

『も、もちろんしてるよ!』

「ふうん?」

『してるって!

でも、本当ごめん。
ま、まさかだけど…

会った時より嫌いになったりしてないよね?』


…ないよ。
嫌いになれないよ。
そうすることができたら、どれだけいいか。


「…嫌い。」

『ねぇーっっっ!!

ほんっとごめん!ごめん!

だから嫌いにならないでえっ!』


いい加減、素直じゃない自分も、直したいよ…。

「ほーら、
そうやって騒ぐところがタイプじゃないのっ!

じゃ、私、部屋にいるから。

掃除、よろしくね。」

『うぅー、沙恵ぇっー!』

…バタン

「嫌いに、なり、だぃ…グスッ…」

部屋に入ると
私の涙腺が限界だった。

どうしてだろう。

…こんなにも、佑夜と留亜が


好き。
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