broken、robot。
「確かこの道を右に曲がって…あれ?左?」

『ちょ、大丈夫なの?!』

「うるさあいっ!

今必死に頑張ってんでしょ!」

『地図、かして。』

私は地図を素直に渡した。

もう、見るのが嫌だった。

『なに、これ…壊滅的…』

「なにがよ。」

『沙恵?これ、真面目に書いた、よね?この地図…』

文句あるのか。
てゆーか地図、不真面目に書かないでしょ。

「当たり前でしょ。」

『どうしよう。すっごい恐い。

川に家が沈没してるんだけど。』


…私は方向音痴プラス絵心がない。
弱味を握られたみたいですっごく屈辱的…。


『だ、大丈夫!行ける行ける!

わかるから大丈夫!

気にしないで。』


だったら言わなきゃいいのに。

その方が私の気持ちは…。

『あー…あー、膨れないで!

ほら、飴買ってあげるから!』


むかつく。

「膨れてないっ!子供扱いしないでよ。」

横を睨むと誰もいなかった。
今日、こういうこと多いな…。

『おばちゃん、この飴下さい!』

「あら、イケメンさんね。」

『ありがとうございま~す!』

私の目の前の店からそんな会話が聞こえてきた。

「…むかつく。」


『おばちゃんも美人だよ!
肌、超~ツルツル!』

「あらやだも~。
飴もう一個おまけしちゃう♥」


なに店のおばちゃんとイチャついてんだ。


『じゃあ、おばちゃん、ありがとね!』

「いいのよ、また来なさい。」
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