broken、robot。
「本当、兄そっくり…
じゃなくて、
沙恵さんの事、お願いします。

沙恵さん、強がりだから…

いつも一人で抱え込むの。」

『知ってます。
一人で部屋入って泣いてるのも、

実は俺のこと好きなのも。

だから、おばさんっ!
沙恵さんの心を

俺に下さいっ…!』


「留亜…」

留亜が、私の気持ち、知ってるなんて。
留亜が…

留亜の優しさが…こんなにも伝わってくる…

「留亜さん、さっきはごめんなさい。
私ったら、気が動転してしまって…」

『大丈夫です。』

「沙恵ちゃん、留亜さんにちゃんと守ってもらうのよ…!」

「おばさん…」

「ママ…」

『ありがとうございます!
沙恵は俺が絶対に守ります!』


「留亜…ばかあっ…」

涙がとまらなかった。

こんなにも私を思ってくれる人が周りにこんなにいたなんて。

『あ、おばさん、
これ。佑夜くんのお骨…。』

「まあまあ。
わざわざありがとね。

…おかえり、佑夜。」

おばさんが涙する。

『じゃあ、沙恵、帰ろっか。』

「そうだね。」

「沙恵さん、いつでもおいでね。
私、待ってるから。」

佑美さんがにっこりと笑う。

「沙恵ちゃん、気を付けてね。
また、おいでなさいね?」

おばさんもにっこり笑う。

やっぱり、留亜はすごい。
みんな笑顔になる。

『行こっ♪』

私の手を機嫌よく取る。

「…うん!」

私達はこれから家に帰る。
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