broken、robot。


それは、突然だった。


『沙恵…。』

「ん~?」

『俺さあ、自分のカラダ自分じゃ治せないんだ。』

「あ、何、充電して欲しいの?」

『違くて…その…』

留亜はものすごく言いづらそうにしている。

「留亜?」

『俺っ!沙恵と一緒にいたい。』

「は?い、いれば?」

『カラダが、変なんだ…』

そう言ってカクンッと足の力をなくす留亜。
繋いでいた手も自然と離れる。

「っ!?」

私は、機械とか何も出来ない。

そうだ、留亜はロボット。

私は…分かってる"つもり"だった。

「留亜!待ってっ!もうすぐ家だからそれまで耐えて!!」


『りょーかいしました。』

「…留亜?」

いつもの、留亜じゃない。
喋り方、私といると不自然じゃなくなった癖に。

了解しました、なんて…普段言わないのにっ…!

「留亜っ!ほら、家見えてきたよ?」

『…』

「ねえ、やだ留亜っ!」


返事もない。

どうしよう、留亜が…壊れちゃう…

治せなかったら留亜は…どう、なるの…?

目の前が真っ暗になるってこういうことか。
進むべき道が見えないよ。

留亜…

1人にしないで…
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