broken、robot。
「コップ、片付けなきゃね…」

独り言。



「あっ!コーヒーの跡ついちゃった。留亜のせいだからねっ!もーっ!」

…シーン…


あ、そうだ、いないんだ。

「はあ。」


溜息。


留亜が来るまで

1人で生活してたのに

今この部屋がものすごく広い気がしてしまう。

洗面所にある2つの歯ブラシも。
ピンクと青のタオルも。
1人では多い冷蔵庫の中身も。
皿の数も。

全てが留亜を感じさせる。
涙をこらえる。

…辛いのなんていつも同じだ。

今、片付けてしまえ。
そう思った。

私は、再び段ボールに手を延ばし部屋へ向かった。

「ごめんなさいっ…お邪魔します…。」

ボロボロと止まらない涙が廊下に落ちる。

ドアノブに手を掛ける。

……ガチャ…

静かにドアを開けて、
匂いを吸いこむ。

留亜を感じる。


「さて、やるか!」

涙を乱暴に服の袖で拭い、

マスクを装着して、エプロンをして、段ボールにものを詰めていく。

全て、思い出のあるものだった。


ひら…


何か紙のようなものが落ちた。

手紙かと思い、急いで拾う。

「…なんだ、プリクラじゃん。」


写真の中の留亜をじっと見つめる。
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