broken、robot。
「ただいま~」

「おかえり。ほら、今日は沙恵が好きなグラタンだからね。」

「そうなんだ。」

「…あ、そうそう。あんた宛に手紙来てたわよ。」

「誰から?」

「うーん、未来ちゃんって子からだったかな。」

「未来ちゃん?」

私が怪訝な顔をすると

「え、でも未来って書いてあったわよ。」


そんな友達いたっけ。

未来、ちゃん…?

未来!!

「ちょ、お母さん!
それどこ?!」

「何焦ってんのよ。ほら、これよこれ。」

のんきな母のてから手紙を奪う。

それは、白い封筒に入っていた。


《和泉 沙恵 様》

明日、留亜30800をあの場所に戻します。
留亜30800は
カタコトで話していたはず
なのですが、

リセット時から、正常な話し方になっていました。

きっとそれは、沙恵様のおかげだと我々は感じております。

ありがとうございました。

留亜30800

には、できる限り今までのデータをいれておきました。

あなたのことをちゃんと認識すると思います。

落ちこぼれロボットではなくなった、留亜30800をどうかよろしくお願いいたします。

《未来》


その便箋の他に、あともう一枚封筒に入っていた。
< 49 / 50 >

この作品をシェア

pagetop