broken、robot。
最初に私の目に

飛び込んできたのは、


《不良品

おちこぼれロボット 30800

2011年行き》


という文字だった。

「ロボット作ってる会社の方なんですか?」

意味不明すぎてそう聞いた。

『俺が作られてるロボットなんです。だけど、敬語とタメ口が混ざっちゃうから…
不良品ってことで、
過去に来たんです。

まあ、2472年では“おちこぼれロボット”って呼ばれてたんだけどね。』

2472年!?

いや、それでも全然意味わからないけど…

「え、えと…?
つまり、あなたがロボットなんですね?それで…おちこぼれて過去に来た、と…。

意味わからんですけど。
頭、どっかで打ちましたか?」

『えー…まだわかってもらえないのかあ。』

「あなたは、誰ですか。

じ…実を言うと、あなたはっ…

私のっ!
死んだ彼氏にあまりにも…

ソックリなんです。
まだ、彼の事で頭いっぱいで…

そんな時、あなたにつまずいて転んだんです。

私は、何かの運命のように感じました。」

私は、見ず知らずのこの彼に何を言っているのだろう。


『俺、君に恋したよ。

ロボットなのに…恋に落ちた。

だから、おちこぼれロボットなんて言われちゃうのかな。』


彼は、そう言って笑った。

「…すいません。

お互い、冗談はここまでにして

家、帰りましょうか。

なんか…絡んでしまってすいませんでした。」

話がわかる相手じゃないと判断した私は、家に帰って頭を冷やしたくなった。

そうだ、私はお葬式の帰り。
失恋したばかり。

だから、変なだけ。
そう思った。
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