仮面
気がつくと私は笑っている。
仮面が、私の顔を作っている。
仮面は―――――――――
私の化身となっていた
いつしか私は、
笑う
泣く
怒る
などの表情が分からなくなっていた。
何がどうだったのか、
分からなくなっていた。
あるとき、
クラスメイトが言った。
「夏花っていっつも笑ってるよね」
私、笑えてる??
鏡を見た私。
その顔は、確かに笑っていた。
目を細め、
口角をあげて、
笑っている私がいた。