【完】チーズ男とあたりめ女
・彼女はお客様の敵
私は顔を上げ、相手の顔を見て立ち上がった。
―――ナズナさんだったからだ。
「先日は、ありがとうございました…」
「こちらこそ。まさか、貴方が悠の彼女だと思わなかったわ」
笑顔が怖い。
天使の微笑みだった筈なのに。
今は悪魔の微笑み。
空気が張り詰め、ナズナさんの肩越しに、こちらを心配そうに見てる悠さんが見えた。
「貴方、海さんだったかしら?」
「はい…」
「悠に似合う香りも迷うような人が、彼女だなんて、信用ならないわね。
私はすぐにピンと来たわよ?」
だから、何だと言うのだろう。
でも、言い返せないのは強がりと、悠さんの大切なお客さんだとわかってるから。
―――ナズナさんだったからだ。
「先日は、ありがとうございました…」
「こちらこそ。まさか、貴方が悠の彼女だと思わなかったわ」
笑顔が怖い。
天使の微笑みだった筈なのに。
今は悪魔の微笑み。
空気が張り詰め、ナズナさんの肩越しに、こちらを心配そうに見てる悠さんが見えた。
「貴方、海さんだったかしら?」
「はい…」
「悠に似合う香りも迷うような人が、彼女だなんて、信用ならないわね。
私はすぐにピンと来たわよ?」
だから、何だと言うのだろう。
でも、言い返せないのは強がりと、悠さんの大切なお客さんだとわかってるから。