【完】チーズ男とあたりめ女
・大人の階段を登る痛み
お客さんもみんな帰り、私たちだけになった。
最後のお客さんを見送った悠さんが、戻って来ると、蘭の体を揺すると、その手を叩かれていた。
「狂暴だな;;」
お手上げ状態の悠さんに変わり、私は「守さん――ッ!!」と叫んだ。
「守ぅっ!?」
蘭は飛び起き、辺りを見渡した。
私はクスクス笑い、翔さんの腕を叩いた。
「ちゃんと連れて帰って下さいね?」
「はいよー」
荷物を持って立ち上がり、悠さんを見ると、「帰るか」と、カウンターに置かれてた財布と携帯を取りに行った。