【完】チーズ男とあたりめ女
「起きたのか」



しかし。

私の気まずさとは裏腹に、悠はいつもと変わらない様子だ。



「昨日は…ごめんなさい」



「飲み過ぎてたな」



悠は私を手招きして、隣に座らせた。



「白鳥の事。まだ気にしてるのか?」



「してないよ。だって私、もう悠と一緒に居られるんでしょ?」



「あぁ」



ギュッと抱き締められると、昨日の事が嘘のように思えた。

あの人は、夢に出て来ただけだって。

私は不幸にならない。

悠が居て。

手を繋いだり。

抱き締められたら、それだけで幸せなんだから。
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