【完】チーズ男とあたりめ女
悠がどんな表情をしてるかわからない。

けど、誰かが空き缶を蹴り上げる音がした。



「兄貴。海ちゃんを掴まえとかないと、智晴に行くぞ?」



「智晴と居ると笑ってたし…」



「でも。悠さんの写真は隠さない。1人で泣くんです」



「悠さん、このままだと蘭にもキレられますよ」



私は我慢し切れずに、電柱の陰から出た。

4人に囲まれて、ヤンキー座りをしながら煙草を吸ってる悠の胸に飛び込んだ。



「ケツ、いた…;;」



あまりに勢いが強かったのか、悠は尻餅を着いてる。



「ごめんなさい…ごめんなさい…っ…」



私はたくさんの意味を込めて、地面に膝を突いて頭を下げた。
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