【完】チーズ男とあたりめ女
蘭を追い掛けると、階段の手前で止められた。



「はる兄としょー兄。どちらかにペアを頼まないと、これはダメなの」



「何で?」



「女だけだと、軽くて浮き輪が浮いちゃうの。慣れてない彼らでは困るでしょ?」



「うっそー;;」



信じない私に、蘭は「呼ばないの?死にたいの?」と、脅しを入れて来た。



「わかったけど…」



戸惑う私に、蘭はため息を吐き、「はる兄ー」と叫んだ。



「聞こえてるから叫ぶなよ」



眉間にシワを寄せた悠さんが来る。

「行くよ」と、蘭は気にせず階段を駆け上がるが、ビルに換算すれば、4階の高さに相当する場所に、降り口があり、すぐに足が遅くなる。
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