【完】チーズ男とあたりめ女
頬を膨らまし、拗ねる私を悠が引っ張る。



「智晴に構い過ぎ」



「ふふっ…悠が妬いた(笑)」



悠の睨むような目も、今じゃ可愛いだけ。

私は悠をからかいながら、さくらをグビッと呑んだ。



「んー…美味しっ」



さくらは私の栄養源だと思う。

楽しい時間も。

悲しい時間も、さくらあり。



「海…やっぱ良い」



ゆっちんが何かを言いたそうな顔をした。

でも、ここでは言いにくそうで、私は笑って流した。

蘭が取り分けてくれた豚カツを頬張る。

久々の豚カツに、もうとろけそう。
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