【完】チーズ男とあたりめ女
「海ちゃんさぁ、悠さんと知り合って半年も過ぎてないのに、よく結婚が見えたよねぇ」



酔いが回った朋菜さんが、ワインのボトルを抱き締めながら訊いて来た。

私は「ニヒヒ…」と笑い、悠を指差した。



「このクールでお堅い悠と結婚が出来る人なんて居ないんですよ。私は、どんな悠も好きだから、貰ってあげるんですっ!」



お酒のせいにしながら、ちょっとふざけた事を言った。

悠が「“貰ってあげる”だと?」と、聞き返して来たけど、私は「私にも、悠しかダメでしょ?」と、腕にしがみついた。



「智晴も良いじゃなぁい!」



けど、朋菜さんが私を指差して、立ち上がった。
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