【完】チーズ男とあたりめ女
・自分の為にも決断を
翌日の早朝、私と悠は一睡もしないまま、始発の新幹線に乗り込んだ。
綺麗な景色も見ず、悠にくっついてる私に、機内販売の添乗員さんも不思議そうだった。
普通なら、イチャイチャしてるようにしか見えない光景も、私の顔が暗いから。
駅からはタクシーで病院に向かうと、時間帯がちょうど良く、私たちは手を繋ぎ、中に入った。
案内所。
ナースステーションで、病棟や病室を訊き、父親が居る部屋に辿り着いた。
「お父様は今、特別な病室に居ますので、こちらからお願いします」
ガラス越しにしか、面会を許されなかった。
ただの無菌室では、なさそうだ。