【完】チーズ男とあたりめ女
でも――…。



「私…O型なんです。父親はB型ですよね?B型はお祖母ちゃんですけど、苦痛な思いは…出来ればさせたくないです……っ」



助けたいのに。

何でもしてあげたいのに、難題に頷けなかった。



「適合者を待ちましょう」



「必ず、現れますよ」



先生2人に言われて、私は涙目のまま、「はい…」と、返事をした。

信じる。

信じよう。

自分に言い聞かせるしかなかった。



「少し医者同士で、今後の治療について話せませんか?」



「是非に」



兵藤先生に頷いた土岐田先生が、私と悠に頭を下げて部屋を出る。
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