【完】チーズ男とあたりめ女
・似合わない謝罪
落ち着きも取り戻したものの、プールサイドのベンチに座り、みんなを見る私に、悠さんがジュースをくれた。
「ありがとうございます…」
「別に」
隣に座り、シャンパンを呑む悠さんの首筋に、水が滴る。
上半身、裸な為、鎖骨から下は終えず、揺れるネックレスを見ていた。
さっき、抱き着いた時に見えた。
十字架の、シンプルなネックレス。
「お客さんからの、贈り物ですか?」
勝手にネックレスに触れながら訊くと、首を振る。
「去年、翔と蘭から誕生日プレゼント」
「だから、似合ってるんですね」
悠さんの好きそうなデザインには思わなかった。
けど、ちゃんと似合ってるんだ。