【完】チーズ男とあたりめ女
『――“はる兄…はる兄、大変…!!”“んだよ…寝かせろよ…”“海のお父さん…亡くなった…”“……は…?”――』



悠は実家に帰ってたのか、2人の会話が携帯から伝わって来た。

姿は見えない筈なのに、悠が放心してるのが、何となくわかったんだ。



「海、おはよう」



「賢介君…」



お祖父ちゃんかお祖母ちゃんに知らされたのか、まだ寝間着の代わりであろうジャージを着た賢介君が来た。

私は立ち上がり、和室を出た。

賢介君は私が座ってた座布団に座り、父親に手を併せた。



『海!海っ!!』



存在を忘れてた携帯を耳に当て直すと、蘭が叫んでた。
< 318 / 504 >

この作品をシェア

pagetop