【完】チーズ男とあたりめ女
・ずっと傍に居て欲しい
待受画面が暗くなり、私は携帯を閉じた。
充電もなくなってしまうし。
―――隣に誰かが腰を下ろした。
小虎さんか賢介君だと思えば、悠だった。
2ヶ月前と変わりなくて、でも横顔が、私と同じ位、寂しそう。
「…元気だったか?」
「うん…。みんなは…?」
「小虎さんに頼んで、亡骸を見せて貰うって」
「そっか…」
何を話したら良いのかわからなかった。
“久しぶり”だからとかではなく、頭が働かないんだ。
けど。
会話はなくても隣に居ると安心する。
寂しい気持ちがなくなるんだ。