【完】チーズ男とあたりめ女



お通夜が終わり、蝋燭と線香の火が消える事のないように見守る私の隣に、ゆっちんが来た。

見掛けは同じだけど、目は優しくなってる気がする。



「聖さんといつから?」



「海の誕生日パーティーの2日後に、翔から連絡が着た。“海ちゃんのお父さんについて教えてよ”って。
そんなに知らないから、最初は断ったけど、シツコイから渋々、行ってあげた」



「そこに、聖さんが?」



「そっ。あいつもシツコイけど、いっぱい愛してくれてるってわかった。元カノと別れて数日しか経ってないのに、俺は元カノよりも愛されてるだって…」



「翔には出来ない事だよな。案外、誠実だし」と付け足したゆっちんは、本当に幸せそう。
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