【完】チーズ男とあたりめ女
「鍋ね。良いよ」



ショート丈のコートだけで出で来た事に後悔するほど、冷え込んでる。

雲が分厚くて低い。

…雪、降るかな…?

期待と、不安が混じる。

雪が降ると、私はすぐ転ぶんだ。

まぁ、この都会では積もらないと思うけど。



「じゃあ後でね!」



「雪が降る前には、帰っておいでよ?」



「はーい!海お母さん!(笑)」



蘭は駅前に停まるタクシーに駆け寄った。

私はスーパーに入り、カゴを持った。

最初はネギを買うのが恥ずかしかった。

けど、今は何だって買えてしまう。

エコバッグも堂々と持って歩けるようになった。
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