【完】チーズ男とあたりめ女
・逃げ出した場所は実家
―――大晦日の夜、私は最終の新幹線に乗り込んだ。
悠にメールをしても、<帰れない>と返事が着て、もうマンションに居たくなくなった。
1人で新しい年を迎えるのは、クリスマスより無理。
ぶつけられない寂しさは、限界を越えて居た。
婚約までしたのに、逃げた私は、もう嫌われてもおかしくない。
それとも…もう嫌われてるかも知れない。
11時過ぎに、地元の駅に着き、私は遅いけど両親のお墓に寄ってから、家に帰った。
「海ちゃん…?」
何も言わずにリビングに行くと、年越し蕎麦を準備してたお祖母ちゃんが先に気付いた。