【完】チーズ男とあたりめ女
・ 落ち度―SIDE 悠―
「悠。海さんと正月は良いのか」
「お父さんが呼んだんですよ」
クリスマスからハードスケジュールになった。
正月は休みが貰えるかと思えば、会社は休みになるからと、実家に取引先の人を招いて、会食がてら会議になった。
断る事は簡単だが、俺は海が我が儘を言わない事に甘えて、仕事を選んでしまった。
「まぁそうだが。悠は断ると思ったのに、海さんは強い人だ」
「“強い”か…」
「蘭なら泣いて騒ぐだろう」
確かにそうだと思った。
大学が冬休みに入った守と、あいつは毎日のようにべったりだしな。
ずっと人ん家を荷物置き場にしてるけど。