【完】チーズ男とあたりめ女
「お待たせしました。…ご無沙汰してます」



小虎さんに頭を下げると、貧乏揺すりをしながら、俺を見上げて来た。

イライラしてるのがわかり、俺はソファーに座っても、落ち着かない。

…海に、何かあったのか?



「兄貴…何で明け方から電話してんのに出ないんだよ」



「…あぁ。夜中にバッテリー切れてそのまま」



「海は今、帰って来てます。昨日、最終で来て、家に入って来た瞬間、あいつは泣き崩れました」



「何でこんな日まで、海ちゃんを1人にしたんだよっ!!」



「……っ」



2人の怒りに、言い訳も謝罪の言葉も見失った。
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