【完】チーズ男とあたりめ女
・送る辞―SIDE 悠―
…あー、ウザッ。
披露宴が始まり、俺はやたら海を撮りたがるカメラマンを殴りたくなった。
撮りたい気持ちはわかる。
綺麗だし、可愛いしな。
だからって、何でこいつが撮るんだよ。
俺は蘭の執事を見付け、カメラマンを下がらせるように頼んだ。
「ふぅ…やっと退いてくれたね?」
カメラマンが退いた刹那、海がため息を吐きながら俺を見た。
頷きながら、親父が招待した政治家たちを見る。
堅苦しいのは嫌いなのに、何で呼ぶんだ。
翔たちは話を聞いてねぇし。
ケーキ入刀は入場の時に済んでるし、後は翔や蘭たちの祝辞と、海の挨拶が聞ければ良いのに。
…長いんだよ。