【完】チーズ男とあたりめ女
おでんを温めてると、悠は「食べるぞ?」と、テーブルに置いてたチョコパイを手にした。



「うん。悠へのバレンタインだから」



悠は四つあった中の一つを翔さんに渡して、カスが溢れないように注意して食べてる。

翔さんは「いただきます」と、まだ落胆しながら食べ始めた。

でも、私が腰を擦りながら取り皿や箸を運んでると、悠が鍋を取りに来た。



「良いよ、運ぶよ。仕事で疲れてるでしょ?」



「これ位は大丈夫。お前こそ腰、痛いくせに無理すんな」



「ありがとっ」



何だか今日の悠はかなり優しい。
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