【完】チーズ男とあたりめ女
「ただいまー」



「……ん?;;」



私は声を聞いて、嫌な予感がして、玄関に走った。

そこには靴を脱ぎ、「お腹空いたから、ご飯よろしくね」と、ここが我が家かのように、私を通り越し、リビングへ行く翔さん。



「あれ?お前、智佳子ーチカコーとデートじゃねぇの?」



「その予定だったけど、“課題が多いから今日は帰らせて?”だってさ」



ダルそうに、守さんの隣に座った翔さんは、蘭が飲んでたグレープフルーツのジュースを飲み干し、ワイングラスにワインを注いだ。

キッチンに戻り、私は頭を抱えた。

チキン、4枚しか買ってないんだけど…。
< 482 / 504 >

この作品をシェア

pagetop