【完】チーズ男とあたりめ女
【3】 私の隣にホスト
・小川のせせらぎ
翌日、お通夜が始まる前に家を抜け出した。
小学校、中学校へ行く道に、小さな川があった。
ここに来ると、何故か落ち着けるんだ。
草の上に腰を下ろすと、喪服に冷たさを感じた。
蒸し暑い都会では感じない涼しさがある。
チョロチョロと流れる透き通った水も、あの街では見た事がない。
「ちょいと綺麗なお姉さん。何してるの?」
「え?…って、蘭ッ!?」
「私だけじゃないよ」
隣に座って声を掛けて来たのは、制服姿の蘭。
私たちの後ろには、悠さん・翔さん・守さん。
それに、4人を案内して来てくれたであろう小虎さんが居た。